End-of-Life Nursing Education Consortium-Japan Geriatrics(ELNEC-JG)
ELNEC-JGでは、高齢者に対して日々のケアを丁寧に行い、人間らしい姿を保ち尊厳を保持することを大切に考えています。 また、最期まで意思ある存在であることを忘れず高齢者の意思を尊重すること、療養環境を整え心身の苦痛を緩和することを大切に考えています。 さらに、高齢者本人だけではなく、家族やケアを提供するスタッフも納得できる死が迎えられるよう調整することを大切に考えています。 ELNEC-JGは、「ELNEC-JGで大切にしている考え方」の実践と教育(望ましい姿に変化させ、価値を実現する活動)をとおし、 高齢者の幸せを目指すことを理念としています。
高齢者のエンド・オブ・ライフ・ケアに関する知識・技術・態度について系統的・包括的に学習できるように構成されています。 事例検討やロールプレイ、グループディスカッションなど、さまざまな教育方法を活用しています。 日々のケアの価値に気づき、実践にすぐに役立つ内容になっています。 ELNEC-JGカリキュラムは、9つのモジュール(科目)から構成されています。
モジュールの構成 | モジュールの概要 | |
モジュール1 | エンド・オブ・ライフ・ケアにおける看護 | エンド・オブ・ライフ・ケアの基本的な考え方と、老化の延長線上にある死について理解する。 そしてエンド・オブ・ライフにある高齢者ケアを提供するために、 多職種チームの一員として看護職が果たすべき役割や基本的態度について理解する。 |
モジュール2 | 症状マネジメント | エンド・オブ・ライフにある高齢者によく起こる症状と、それらの症状マネジメントを行う際の看護師の役割について理解する。 |
モジュール3 | 痛みのマネジメント | エンド・オブ・ライフにある高齢者に起こりやすい痛みに焦点を当て、高齢者の痛みのアセスメントとマネジメントから看護師の役割について理解する。 |
モジュール4 | エンド・オブ・ライフ・ケアにおける 倫理的問題 |
エンド・オブ・ライフにある高齢者に倫理的問題が起こりやすい背景を理解し、問題に気づく力を養うとともに、高齢者の意思に焦点を当て、看護倫理に基づくケアの実践と、擁護者としての看護職の役割について理解する。 |
モジュール5 | エンド・オブ・ライフ・ケア における 文化への配慮 |
高齢者のエンド・オブ・ライフ・ケアに影響を及ぼす文化的側面について概観する。高齢者・家族および医療・介護スタッフ間のコミュニケーションをはかり、文化に配慮したケアを行うために重要となる文化的側面のアセスメントについて理解する。 |
モジュール6 | コミュニケーション -高齢者の意思を支えるために- |
エンド・オブ・ライフにある高齢者の意思を支えるために必要なコミュニケーション、および高齢者・家族とスタッフ、多職種チーム内でのコミュニケーションにおける看護師の役割について理解する。 |
モジュール7 | 喪失・悲嘆・死別 | 喪失・悲嘆・死別について理解する。“老い”による喪失・悲嘆について理解する。家族が体験する喪失・悲嘆・死別について学ぶとともに、医療・介護スタッフ自身の悲嘆についても考える。誰しも体験する「老化」「老い」に焦点を当て、喪失・悲嘆を考える。 |
モジュール8 | 臨死期のケア | 死にゆく高齢者とその家族のケアに焦点を当て、人生を完成する時期に最善のケアを提供するために必要なことについて理解する。 |
モジュール9 | 質の高いエンド・オブ・ライフ・ ケアの達成 | 質の高いエンド・オブ・ライフ・ケアを達成するために、一人ひとりの看護職がケア現場で果たす役割について理解し、実践が考えられる。 |
-2014年ELNEC米国本部よりELNEC Award 受賞
-2023年IAGGシンポジウム
ELNEC-JGカリキュラム指導者を養成し、全国各地でELNEC-JGカリキュラム看護師教育プログラム開催を推進することを目的としています。 受講対象は過去にELNEC-JGカリキュラム看護師教育プログラムの受講経験がある、日本老年看護学会会員に限ります。
ELNEC-JGカリキュラム指導者としての心構え、概要およびモジュール1~9の講義のポイントと補助教材の使い方、 グループワーク等の教育方法、ELNEC-JGカリキュラム看護師教育プログラムの運営方法などについてお伝えします。
「ELNEC-JGで大切にしている考え方」の実践と教育(望ましい姿に変化させ、価値を実現する活動)をとおし、 高齢者の幸せを目指すというELNEC-JGの理念を普及し、EOLケアに対する知識と態度の向上をミッションとしています。